40代サラリーマンの「なぜ生きる?」と七つの習慣

40代で「生きる意味」を知ったサラリーマンによる充実した生き方を求めての奮闘劇

第1-7話 えちけんの幼少期と七つの習慣(5歳-その5)~忍者えちけん

えちけんの歴史を七つの習慣によってひも解く。

これは、えちけんが幼稚園の年少組の事の出来事である。

当時は2年制の幼稚園が主流であり、えちけん5歳のお話となる。

1.えちけんの歴史

えちけんは当時、6階建てのマンションで生活をしていた。

同じマンションには、同世代の、いわゆる幼馴染という存在のものが数人おり、よくいっしょに遊んでいた。

えちけんとえちけんの2歳年上の姉と、姉と同じ年のやんちゃ坊主とエトセトラだ。

 

ある時マンションの6階の渡り廊下にその集団はいた。マンションには灰色の雨どいが、最上階から一階まで連なっている。

そして、何を思ったか、やんちゃ坊主が、まるで、野生の猿がいつもの日課の運動をやるかのように、その雨どいをつたって、6階から5階に移動した。

そして、6階にいた残りの幼児達に向かって、こう言った。

 

やんちゃ坊主「お前らもこいよー。」

 

その声に答えたのは、やんちゃ坊主に負けずとも劣らぬ、やんちゃ姉貴、つまり、えちけんの二歳年上の姉だ。

二歳年上と言っても、当時は小学2年生だ。

やんちゃ姉貴も、実はお猿でしたと言わんばかりに、スルスルット、雨どいをつたって5階に下りた。 

 

やんちゃ姉貴「えちけんもおいでー。」

 

無知とは恐ろしい。

優しい姉のような口調で言っているそのセリフは、マフィアのボスが言うセリフと同じだ。

その当時、えちけんは”死”というものをまだ理解していなかった。

しかし、本能的に今から行う行為は、死への道への片道切符となる得ることを感じ取った。

その瞬間、えちけんの心の中で、いつもの雨どいが、地獄へとつながる一本の道へと変わった。

そして、同時に、そこには何故か地獄への切符購入を断れないえちけんがいた。

自分を主張できない、これもHSPの特性ではないだろうか。

えちけんは、ゆっくりと、マンション6階の渡り廊下の壁を上り、地獄の雨どいにしがみついた。

そして、背をマンションと反対側の、永遠と続く空間の方に向けた。

 

スルスルスル・・・

 

6階から5階は思ったよりもすぐであった。

やんちゃ坊主とやんちゃ姉貴のニコニコした鬼の顔が見えた。

そして、次の瞬間、えちけんの恐怖の感情のバロメータが、メモリを突き破り、最大値大幅に超えて跳ね上がった。

5階の渡り廊下の壁に足が届かないのだ。

かろうじてつま先は届くが、力が入るくらいまで、しっかりと届かない。

 

どうするえちけん。

 

えちけんは、この時初めて、人生の選択肢というものにぶつかったかも知れない。

幼稚園児の体力を考えると、すぐに判断が必要だ。

えちけんは、次の瞬間、地獄の雨どいをさらに下にすべり降り始めた。

その時の、やんちゃ坊主とやんちゃ姉貴の「えっ?」という表情はいまでも目に焼き付いている。

 

そして、えちけんはそのまま一階まで降りたんだ。

 

マンションの雨どいをつたって。

死を免れた後の、恐怖から解放された後の、安堵感とやり遂げた感が、えちけんを包み込んだ。

えちけんは上を見上げた。目に入ってきたのは、永遠と広がる青い空だ。

母なる地球が、このちっぽけな存在であるえちけんを褒めたたえてくれているようだ。

 

「えちけんよ、よく、生き残った。」

 

そして、目線をずらすと、5階の渡り廊下の壁から頭を出している、やんちゃ坊主とやんちゃ姉貴が見えた。その時は、もう鬼には見えなかった。

 

やんちゃ坊主「えちけん、すげーー!!」

 

もう、恐怖からは解放されたと思ったえちけんは、考えが甘かった。

次の瞬間、やんちゃ坊主が、それに続いてやんちゃ姉貴が、5階の渡り廊下から雨どいに移る姿が目に入った。

 

『お姉さま、お止めになって~』

 

心の中で叫んだ。

しかし、人前で自分を主張できないHSPえちけんは、当然大声を出せない。

自分が味わう恐怖とはまったく別の恐怖がえちけんを支配した。

その間、どれくらいの時が流れたのであろう。

おそらく数分のはずだが、えちけんの記憶のページからは抹消されている。

 

次の記憶は、二人が無事に一階にいるシーンだ。

そして、その直後からの記憶も、えちけんの記憶のページからは抹消されている。

2.七つの習慣解説

えちけんは完全に依存状態であった。

第一の習慣「主体的になる」

第二の習慣「目的を持って始める」

第三の習慣「最重要事項を優先する」

すべての習慣は発動されていないように見える。

 

しかし、えちけんは5階の渡り廊下の壁に足が届かなかった時、自分の影響の輪の範囲内で、周りを頼らずに、自分の能力をフルに使って、一階まで降りるという道を選択した。

正直その時の心境は覚えておらず、無意識の選択だったのかもしれない。

しかし、「大きな決断をした」というエピソードとして語るには十分である。

※そのシーン、周りから見たら恐怖の何物でもない。小さい子供がマンションの6階から1階まで雨どいをつたって降りていくシーン・・・。

 

ガンバッタネ、エチケン!!

ヨクイキノコッタネ、エチケン!!

 

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